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グローバル資本主義に蹂躙されるこの世界に別の光をあて、別の論理をもちこみ、異郷化する運動への呼びかけとして立ち上がった「鉄犬ヘテロトピア文学賞」最後の受賞作。
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ありえたかもしれないもうひとつの世界。小説だからこその表現で現実を跳躍する想像力がわたしたちの光になる、小林エリカさんによる最新長編です。
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<選評 / 温又柔>
扱われる時間軸の幅と、「わたし」という、どちらといえば、ありふれた「ふつう」の女性である一人の人間の生理を細やかに見つめる誠実さを両立させた、この作者ならではの類稀な視点で描かれた、ほかにない「オリンピック小説」だと思います。新型コロナウィルスの流行で、2020年という年に開催されるはずだった東京オリンピックが幻となった今、この本の中に流れる「2020年」は、ひとつのパラレルワールドとして、「光とは誰のものか?」「光を占有するものとは何者か?」と読者に訴えかけるものがあるように思います。また、この本は、現代美術のアーティストでもある著者による展示 (https://obikake.com/column/4165/) あってこそ、より輝くことも付け加えておきます。
その他の選評はこちら
http://www.sunnyboybooks.jp/the-final-irondog-heterotopia-iteraryprize/
130mm×188mm / 224p / ソフトカバー