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SOLD OUT
グローバル資本主義に蹂躙されるこの世界に別の光をあて、別の論理をもちこみ、異郷化する運動への呼びかけとして立ち上がった「鉄犬ヘテロトピア文学賞」第2回受賞作。
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ユニークなルビの表現を用い日本語と中国語を混在させ、言語表現の可能性を広げた話題作であり、作家デビュー作。
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<選評 / 中村和恵>
文体に脱帽。やまとことば(音)+古代中国語(漢字表記)→見事なクレオール文字文化としての日本語、の体組織に、カタカナ語(音声のみ=翻訳努力放棄・意味不明の西洋経由諸語)を目下増殖中のいまの日本語から、カタカナ語を引き現代中国語の音と表記を臨機応変・恣意的にはめこんで、新たな東アジア漢字文化圏の書きことばを日本語ベースで試作した。簡体字や中国語の表記・音声が次第に文中に増えていって、ややわけがわからなくなるようなところが、とくにおもしろい。世界は基本わけがわからないんだから、文学作品にわけがわからなさがどこにもなかったら、発見がないってことだとおもう。最後の方、もっとどんどんわからなくなってたとえば全部中国語になったらもっといい、というのが勝手な感想。
その他の選評はこちら
http://www.sunnyboybooks.jp/the-second-irondog-heterotopia-iteraryprize/
138mm×195mm / 146p / ハードカバー