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グローバル資本主義に蹂躙されるこの世界に別の光をあて、別の論理をもちこみ、異郷化する運動への呼びかけとして立ち上がった「鉄犬ヘテロトピア文学賞」第1回受賞作。
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南太平洋諸島からロンドン、エストニア、オーストラリア、世界中どこにいっても必ず訪れるという本屋さんをめぐり歩く旅の中で見えてきた「日本語」の姿とは?
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<選評 / 木村友祐>
海外の様々な本屋の話を入り口として、日本をふくむ今の世界の有様にまで思索がおよぶ。その思考はしなやかで強靭。楽しく読みやすい文章ながら、こちらもいつしか著者の思考をなぞるように、想像力を「ストレッチ」させて読んでいる。するとふいに、何度も、からだが震えだすほどの言葉に出会う。たとえば、世界の中央を自認する大国/支配者側の傲慢さを前にして一歩も引かず、つねに支配されてきた人々の側に立って繰りだされる言葉。また、「いまこそ文学なのだ」という言葉に、震災後の無力感をまだ思いだすぼくなどはハッとさせられ、心が奮い立つ。本書にはそこかしこに、今とこれからの世界を考えるうえで大切な視点がちりばめられているのだ。未読の人には、ためしに本書の「はじめに」だけでも読んでみてと言いたい。
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http://www.sunnyboybooks.jp/irondog-heterotopia-iteraryprize/
230p / ソフトカバー