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「考えるために役立つ道具箱をつくりたい。しかも、文化人類学というユニークな学問が育ててきた思考の道具がたくさん詰まった道具箱を。」という思いから編集された『文化人類学の思考法』が入荷です。
複雑な世界をまえに、文化人類学はあえてその複雑さをありのまま描こうとするーーそのことで私たちの信じてやまない「常識」は揺さぶられます。しかしその先にこそ、まだ知ることのないあたらしい世界が見えてくるかもしれません。
すべての考える人のために、道標となる一冊。
<目次>
はじめに すべての考える人のために
序論 世界を考える道具をつくろう (松村圭一郎・中川理・石井美保)
第I部 世界のとらえ方
1 自然と知識――環境をどうとらえるか?(中空 萌)
2 技術と環境――人はどうやって世界をつくり、みずからをつくりだすのか(山崎吾郎)
3 呪術と科学――私たちは世界といかにかかわっているのか(久保明教)
4 現実と異世界――「かもしれない」領域のフィールドワーク(石井美保)
第II部 価値と秩序が生まれるとき
5 モノと芸術――人はなぜ美しさを感じるのか?(渡辺 文)
6 贈り物と負債――経済・政治・宗教の交わるところ(松村圭一郎)
7 貨幣と信用――交換のしくみをつくりだす(深田淳太郎)
8 国家とグローバリゼーション――国家のない社会を想像する(中川 理)
9 戦争と平和――人はなぜ戦うのか(佐川 徹)
第III部 あらたな共同性へ
10 子どもと大人――私たちの来し方、行く先を見つめなおす(高田 明)
11 親族と名前――関係している状態をつくるもの(髙橋絵里香)
12 ケアと共同性――個人主義を超えて(松嶋 健)
13 市民社会と政治――牛もカラスもいる世界で(猪瀬浩平)
参考文献
もっと学びたい人のためのブックガイド
索 引
○コラム
1 認識人類学の展開 分けることと名づけること(中空 萌)
2 ブルーノ・ラトゥール STSと人類学(山崎吾郎)
3 スタンレー・タンバイア 呪術・科学・宗教(久保明教)
4 合理性論争(石井美保)
5 岡本太郎 境界線を吹き飛ばす爆発(渡辺 文)
6 マルセル・モース 贈与論のその先へ(松村圭一郎)
7 貨幣の多義性(深田淳太郎)
8 フーコー権力論と人類学(中川 理)
9 日常的暴力と日常的平和(佐川 徹)
10 生業と子育て(高田 明)
11 あらたな親族研究の潮流(髙橋絵里香)
12 民族誌、実践誌、人類学(松嶋 健)
13 デヴィッド・グレーバー アナキズムと人類学(猪瀬浩平)
四六判 / 224p / ソフトカバー