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日本と韓国――二つの「母国」の間で揺れ惑う個人の苦悩と葛藤を文学に昇華した作家、李良枝の小説とエッセイをまとめた『李良枝セレクション』が入荷です。
“日本で生まれ育った韓国人”として、母語である日本語と、母国語の韓国語、その狭間で揺れ惑う人物を描くことで、言語とアイデンティティの問題を追究した李良枝ーーー。
創作を通して、二項対立の思考を超越し、現実をあるがままの姿で受け入れる勇気と力を得るまでに変化した気づきが、社会の分断が広がり続ける現代に、重要な一石を投じています。
本書はそんな李良枝文学と出会い、小説家を目指したという温又柔さんが選んだ小説4篇とエッセイ3篇の他、温さんの解説と年譜を付した決定版。
没後30年の今も、未来を生き続ける言葉が私たちに真っ直ぐに語りかけてくる一冊です。
[目次]
Ⅰ 小説
由煕
刻
石の聲
除籍謄本
Ⅱ エッセイ
言葉の杖を求めて
木蓮によせて
私にとっての母国と日本
解説 切実な世界性を帯びた李良枝の文学 温又柔
李良枝 年譜
初出一覧
四六判 / 444p / ハードカバー