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人間になんかなりたくない、命なんかほしくないと言い続けるピノキオを抱えた老人のお話。アメリカの作家、レベッカ・ブラウンが夢見なおした『ピノキオ』が、柴田元幸さんの翻訳とカナイフユキさんの絵によって絵本になりました。
「レベッカ・ブラウンの「ゼペット」(“Geppetto”)は、2018年に刊行されたNot Heaven, Somewhere Else: A Cycle of Stories(『天国ではなく、どこか別の場所 物語集』、Tarpaulin Sky Press刊、邦訳なし)に収められている。この物語集には、「三匹の子ぶた」を踏まえた“Pigs”、「赤ずきんちゃん」を踏まえた“To Grandmother’s House”をはじめ、ヘンゼルとグレーテル、ハンプティ・ダンプティなど、さまざまな伝統的物語やキャラクターがレベッカ流に語りなおされた物語が並んでいる。語り直しの切り口は作品によってさまざまで、単一のメッセージに還元できない、豊かな「サイクル」が出来上がっている。100ページに満たない小著だが、怒りと希望をシンプルな文章で発信しつづけるレズビアン作家レベッカ・ブラウンの神髄が伝わってくる。
「ゼペット」は厳しさと優しさが並存していて、中でもとりわけ味わい深い。」
___柴田元幸
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タイトル:『ゼペット』
著者:レベッカ・ブラウン
翻訳:柴田元幸
絵:カナイフユキ
装幀:横山雄(BOOTLEG)
判型:w148×h196mm 並製本+両雁だれ
ページ数:28ページ カラー
発行:ignition gallery
発行所:twililight
刊行日:2022年9月20日