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ロシア文学者、そして翻訳家でもある奈倉有里さんの最新エッセイ集『文化の脱走兵』。
「国でいちばんの脱走兵」になった100年前のロシアの詩人、ゲーム内チャットで心通わせる戦火のなかの人々、悪い人間たちを化かす狸のような祖父母たち──あたたかい記憶と非暴力への希求を、文学がつないでいきます。
本を片手に、戦う勇気ではなく逃げる勇気をもつ大切さを教えてくれる一冊です。
【もくじ】
〇クルミ世界の住人
〇秋をかぞえる
〇渡り鳥のうた
〇動員
〇ほんとうはあのとき……
〇猫にゆだねる
〇悲しみのゆくえ
〇土のなか
〇道を訊かれる
〇つながっていく
〇雨をながめて
〇君の顔だけ思いだせない
〇こうして夏が過ぎた
〇巣穴の会話
〇かわいいおばあちゃん
〇年の暮れ、冬のあけぼの
〇猫背の翼
〇あの町への切符
〇柏崎の狸になる
〇あとがき 文化は脱走する
*装画:さかたきよこ
四六判 / 224p / ハードカバー