作家・伊藤整の次男、伊藤礼さん(1933-2023)による家族のこと、父母のこと、旅のこと、自転車のことを綴った10篇のエッセイ集。
冒頭である自身の出生(その前の父母のなりそめ含む)について綴った「教訓」からしてなんだかおかしいのです。真面目におかしい。そこに惹きつけられたらもうあとはぐいぐい読んじゃいます。
「私が生まれる前に親のほうはもうヘトヘトになっていたはずで、生まれてこのかた私がずっと疲れ切っていたのも無理はない、といま私は思うのです。生きているということは疲れることなのです。」(「教訓」より)
四六判 / 384p / ソフトカバー
発行:夏葉社