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英文学者・小川公代氏が、文芸誌『群像』でケアをテーマにした連載をまとめた『ケアする惑星』。
文学的想像力によって、時代的にも空間的にも遠く離れた他者、あるいは近くにいるが理解できない他者が自分と同じ「人間」なのだという認識に触れ、想像することが大切だと語る著者ーーー。
文学の言葉の力を通して、現代の人々が生きずらさを克服できるようになるために、惑星全体がケアする人を慈しむようにと願った一冊です。
【目次】
〇1章 ”ケアする人”を擁護する
『アンネの日記』再読
〇2章 エゴイズムに抗する
ヴァージニア・ウルフの『波』
〇3章 オリンピックと性規範
ウルフの『船出』
〇4章 ウルフとフロイトのケア思想 1
『ダロウェイ夫人』における喪とメランコリー
〇5章 ウルフとフロイトのケア思想 2
『存在の瞬間』におけるトラウマ
〇6章 ネガティヴ・ケイパビリティ
編み物をするウルフ
〇7章 多孔的な自己
アートと「語りの複数性」
〇8章 ダーウィニズムとケア 1
『約束のネバーランド』と高瀬隼子作品
〇9章 ダーウィニズムとケア 2
ウルフの『幕間』
〇10章 ピアグループとケア
オスカー・ワイルドの『つまらぬ女』
〇11章 カーニヴァル文化とケア
ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』
〇12章 格差社会における「利他」を考える
チャールズ・ディケンズの『ニコラス・ニクルビー』
〇13章 戦争に抗してケアを考える
スコットの『ウェイヴァリー』と〇ドラマ『アウトランダー』
〇14章 ケアの倫理とレジスタンス
オースティンの『レイディ・スーザン』と映画の『ロスト・ドーター』
〇あとがき
ケアと惑星的思考
四六判 / 280p / ソフトカバー