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没後30年。37歳で亡くなった芥川賞作家・李良枝さん初エッセイ集『ことばの杖 李良枝エッセイ集』入荷しています。
山梨県南都留郡西桂町で在日韓国人の両親のもとに生まれ、日本と韓国のはざま、ふたつの民族性の間で引き裂かれる若き日の苦悩や、韓国に留学し伝統的な踊りや音楽をまなび、ひとりの女性として自身をみつめます。
「韓国語で、愛は사랑(サラン)と言い、人は사람(サラム)と言う。そして人の生そのものを삶(サルム)と呼んでいる。この世界の成り立ちと、この世界をひきうけていかざるを得ない人間にとって、何よりもかけがえのない愛、人、生、という言葉が、사(サ)‐ㄹ(ル)という同じ音から始まっている。同じ音でとらえずにはいられなかった祖先たちの思いを、私は信頼し、尊敬したい。」そう語った李良枝さん。言葉の中に<生き抜く力>を感じていたひとりの女性の詩、対談、作品が集成した一冊です。
*妹の李栄さんが姉の最後の日々を綴ったエッセイも併録されています。
A5 / 244p / ソフトカバー